ナミビアの砂漠をみてきた。
観た後の一言が、
私「動物園を見た感じ」
妻「現代アートみたい」
で、なんだこれは…という映画だった。
基本的には今時令和の女の子の密着観察ドキュメントみたいな感じなのだが、所々作者の意図を押し付けるフィクション的要素を見せられて、なんだこれは??となりながら終わる。
その辺が妻のいうアートっぽいところなのかなと思うし、河合優実さん演じるカナは人間というよりは理性的で動物っぽくそのあたりが動物の観察日記のように私は思えた。
妻が好きなカヌレ屋さん店主のコメントがめちゃくちゃ秀逸で、言語化すご!!となったのでメモがてらシェア。動物の進化の過程として言葉や火という表現かなるほど〜〜となり、博物館要素もあったのだろうかなどと思う。(実際のところは知りませんが)
www.instagram.com
私は比較的今の気だるいZ世代の気持ちを先取って生きてきた自負がある(そう思っているだけで実際は違うかもですが)ので、いわゆるカナのあの感じもわからなくないな〜と思うのだけれど、もっと大人の方は理解できるのだろうか。感覚が違いすぎるように思う。
とにかくいろんなことを思った映画だった。
—
またこの休み中に、アマプラで放映開始していたあんのことを見た。あん演じる河合優実さんの演技が素晴らしいのか、本当にこんな人がいたんだろうと思わせられた。
実際に報道されたニュースを元に詳細を深掘っていくことで事実が明らかになったものを映画化したらしい。なのでフィクションの部分もあるけど基本的には実話。とはいえその方のことを知れるのはひたすら見聞きすることだけなはずで、語り継がれるわけでもない一般の方を演じているはずなのに本当にその方がいるような自然さがあった。
親の境遇が悪く小さい頃から薬含む犯罪に手を染めてまともに教育を受けてない少女が逮捕をきっかけに警察官に保護されて更生していくものの、警察官の犯罪やコロナ渦により人との関わりが絶たれ、最終的に自殺まで追い込まれてしまうというもの。
作り話としても上手いストーリーだなと思うが、現実に起きていたものと思うとすごすぎて言葉を失う。
あの時、緊急事態宣言が発令された時を思い出すと、私はオンラインで大学院の授業を受けていたり、親と連絡をとったりしていて、本当に人との関わりが断たれるわけではなく、また収入源も確保していたこともあり、適度にいらないコミュニケーションを取らなくてよくなったメリットの部分しか現実的に感じておらず、とても過ごしやすかったのを覚えている。
本当に身寄りのない方にとってコミュニケーションの場がなくなるとはこういうことかと、あの時散々言われていたことをまた思い出す。きつい映画だったけど、登場する人物誰も悪くはないんだよなとも思う。どうしたって仕方ない部分があるので、その仕方ない部分を認識するしかないのかなと思ったりもする。
—
後にいろんな感情を動かせてくれるものが良いコンテンツだなと勝手に思うが、そんな映画に大体いつも河合優実さんがいる気がする。「PLAN75」も、「サマーフィルムにのって」も、「ルックバック」も、「ある男」も、「愛なのに」も。単純に力があるのか、選ぶセンスがあるのか、周りの大人がすごいのか、なんなのだろう。全部噛み合っているのかな。
テレビを流していたらジョージアのCMでアイドル役をさせられていたのには笑った。事務所としては頑張りどころなのか稼ぎどころなのか知らないけど、消費だけさせられたら嫌ですね。いらぬ心配ですが。