同居人に連れられる形で、Base Ball Bearの20周年記念武道館ライブへ行った時の記録。
同居人はずっとファンでもちろんファンクラブも入っているのでチケットを確保しており、せっかくならということで私もついていくことに。
正直私はベボベに対して「スクールオブロックで先生やってたなあ」ぐらいの記憶しかなく、全然何も知らないまま行ってしまった(曲はもちろん聴いてきたよ!)のですが、ライブがとても良かったのでここに残しておきます。特にMCが良かったのです。
ライブMCにて、印象に残ったセリフ。
「俺たちは賞をとったこともないしヒット曲もだしていない無冠のバンドだけど、20年もやってるとさすがに20年の箔がついてきたと思っている。とはいえファンをふるいにかけるようなことばっかりやっていたと思う。メンバーの脱退もあったし。もちろん4人時代のBase ball bearがあってその延長線上で3人のベボベがあるんだけど、今ここ武道館に20年目で立てているのは、この3人が頑張ったから。これは覚えていて欲しい。」
みたいな話*1をしていた。
「3人が頑張ったから」という言葉が非常に印象的だった。
この時は正直ベボベがどういう歩みをしてきたのか全く知らなかったのだけれど、20年も続ける大変さ、そして1人メンバーが脱退してからの苦労、などなど色々あったんだろうなとなんとなく想像していた。おとなしそうなベースの関根さんも時折泣きそうな表情で演奏していたりして、この武道館は3人にとってとっても大きいことなんだなと、何も知らないながらに悟った。
そんな中演奏される音楽は様々な感情がのせられていたように思えたし、御三方の表情とも相まって*2非常に感情を揺さぶられたライブだった。
後々同居人に話を聞くと、6年ほど前にギターのメンバーが脱退したらしい。それも全く円満ではなく、音信不通〜弁護士を通じて脱退、という中々な事件だったとのこと。高校生の同級生で組んでいるから尚更、そんなふうに辞めてしまった衝撃は計り知れなかったんだろうなあ。
そもそもツインギターでやってたのにシングルギターになって、でも4人の時の曲も演奏しないわけにはいかないのでめちゃくちゃ工夫しているはず。普通にこいちゃんギターうますぎると思う。
あとはファンをふるいにかける的な話。10年ほど前に確か銀魂の主題歌とか、シーブリーズのCMとか、タイアップなどもやったりしていて、世に出かけた気もするんだけど、大衆化して売れていくことと、ベボベがやりたいことは違っていたのか、売れるための最短路線は通らず、曲がりくねった道ばかり進んでいたらしい。
まあこいちゃん、見るからにひねくれていそうだし、バカリズムの升野さんと仲良い時点で大衆化は絶対嫌がるよね、というのは納得だけど。
それでも、めちゃくちゃ売れているというバンドではないのかもしれないけれども、実際に武道館には1万人弱入っていたはず。ふるいにかけ続けてきたのかもしれないが、それでも十分すぎるファンがついてきているのは紛れもない事実だったように思えた。
バンドは短命という話はよく聞く。andymori、SAKEROCK、チャットモンチー、シャムキャッツ、、好きだったバンドが活動休止・解散になってしまったことはたくさん経験している。メンバーの脱退なら本当によくある。くるりなんて何人入れ替わっているのだろうか。最近ヨギーもネバヤンも人数が減ってしまっている。
私は音楽業界のことは全くわからないけれど、ずっと音楽で食べていくことは本当に難しいことなのだろう。新しい音楽を作り続けていかないといけないし、しっかりお金を稼ぐには作っただけでなく全国を回ってライブをしなければ、物販をしなければいけないと聞く。
納得できる音楽を作り続けたいが、お金のためにはコンスタントに作らないといけないし、、みたいな葛藤は容易に想像できる。サカナクションのアルバムは何年待ったことか。
そんな中、制作し続け(しかも高校生の時から)、メンバーの脱退もありながら、20年間ずっと活動を続けているベボベは改めて素晴らしいバンドなんだなと思ったライブでした。
楽しかった。個人的には「The Cut」が大好きでした。 こいちゃんのラップもっと聞かせてくれ〜〜
*1:だいぶ省略している。全文は書き起こししてくれていた人がいたので参照してみてください
*2:同居人のおかげで2列目で観れた