颯爽退勤日記

日々の考えごととか、ねことの日常とか

『選ぶ』って贅沢でだるい

6連休目。

今まで休みとはいえどいろいろ物事に打ち込んでいたので、今日はひたすら何もしない日にしようと決めた。 そのため、受動的に何かを受け取る以外は何もしなかった。

バナナムーンや佐久間さんANNなど溜まっているラジオを聞き流し、昼寝をし、読みたかった漫画をひたすら読んでいた。

ブルーピリオドの12巻に、感情が揺さぶられたセリフがあったので書いておく。

(以下多少なりともネタバレするかもです)


主人公の八虎が美大に入って2年目になるのだが、美大に入る前はあんなに楽しかった「絵を描く」ということが、1年間通して課題に追われる毎日で、いつしか課題を終わらせるための「絵を描く」ことしかできなくなっていた。そんなこともあって「俺って絵を描くこと好きなんだっけ?何のために描いてるんだっけ?」というような気持ちになっている頃。

アンチ美大サークルの出会いや、大学を中退すると決意した友人、ひたすら絵に打ち込む同級生など様々な選択肢をとる人々と関わることで、この美大生活4年間、自分はどうすればいいんだ?と露頭に迷ってしまう。

そんな時に八虎から出た言葉。

『選ぶ』って贅沢でだるい

誰か全部俺の人生選んでくれれば

『お前が選んだんだろ』とかも言われなくて済むのにな

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アァ………昔の自分を見ているようできつい。でもわかる。めちゃくちゃわかる。

若い頃に「何がしたいの?」と問われた時、「最終的には家業継がなきゃ行けないから実家に帰るかな」とか、「〇〇だから地元で就職するしかない」とか、選択肢を狭めざるを得ない理由がある人が実は羨ましかった。

選択肢があるということは、八虎も言っているように本当に贅沢なことだ。 日本中見ても自由に高校・大学へ行ける人がどれだけいるだろう。親元を離れて過ごすという選択をとれる人がどれだけいるだろう。世界まで目を向けたら、そんなことは贅沢すぎることなんて、否が応でも理解させられる。

でも、でも、選択肢があるということは選択をしなければいけなくて、選択をするためためには意志が必要だ。しかし意志というものはそんな簡単に生まれない。意志を確立させるための、制約が欲しい時だってあるのだ。

「〇〇だから」「〇〇しなきゃ行けないから」「〇〇はできないから」という制約があることで、無限に存在する選択肢が少し狭まり、選択しやすくなるという理論。

そんなことを昔の未熟な私も思っていたのだ。八虎と一緒。

まあでも、制約を他者に作ってもらうことを望むのは本当に無責任であり、制約となるものを自分から生み出すことが本当に良い選択を生むんだろうなと今では思う。「〇〇したいから」「自分は〇〇しなきゃ行けないと思うから」と、自分で目標を作ることで制約となり得るものを意志として確立し、決断し、選択していく。人生はそんな判断の繰り返しなんだろうと思う。


とまあ自分語りしましたが、そんな気持ちにさせてくれるだけじゃなく、ブルーピリオドは本当に面白い漫画です。 美術という部分に対象があたってはいるが、美術を知らなくても、「何かに熱量を向ける」ということの楽しさや難しさ、厳しさなど、ありとあらゆる側面を表現しており、誰でも楽しめます。 あとは、本当に本当に名言製造機。好きなコマを置いておきます。

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